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だるてんびーびーえす


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今日の乗代雄介 投稿者:チイ 投稿日:2019/04/14(Sun) 19:33 No.2291  
cat.gifテクスト論とは、血も涙もないものでも、手抜きの研究者が守備範囲を絞るために用いるものでもないのである。理想を浪漫に和えて言うなら、むしろ血と涙をしぼった書くという体験の中に、作者と読者と作品を三位一体にするものなのだ。その時、他動詞ではなく、自動詞としての「読む」が呼び出される。そして、それは自動詞の「書く」と全く同じものなのである。


Re: 今日の乗代雄介 チイ - 2019/04/14(Sun) 19:36 No.2292  

cat.gif昨日の帰りにくまさんと話した、読むのと書くのが重なる読むのことがたまたま今日読んでた未熟な同感者にちゃんと書いてあった
おれはコンディションがよいときじゃないとこういう読書できないけど


Re: 今日の乗代雄介 チイ - 2019/04/14(Sun) 19:37 No.2293  

cat.gifそれでもやっぱり完全に同じではないんじゃないかとおれは思うんだけど、、、


今日のカフカ 投稿者:チイ 投稿日:2019/03/17(Sun) 11:28 No.2288  
cat.gifわれわれの小さな町は、およそ国境沿いにあるとはいいがたい。全然、そうではなくて、国境まではまだまだ遠く、この町 のおそらくだれ一人として、そこまでたどり着いた者はいないほどである。荒れた高地を越えなければならないかと思えば、 他方でまた、広い肥沃な土地を横切らなければならない。その道のりのほんの一部なりとも想像するだけで、もう疲れはてて しまうほどで、その一部を超えてそれ以上となると、まるで想像することすらできない。途中には大都市もあり、それらはす べて、われわれの町よりもはるかに大きい。そうした小さな町を十個、横にならべ、さらにそうした町を十個、上から押しこ んだとしても、これらの巨大にして狭苦しい都市の一つにすら、相当しない。そこにいたる途中で道に迷わなければ、かなら ずやこれらの都市の内部で道に迷ってしまうだけのことであり、それらの都市を回避することは、その巨大さからしておよそ 不可能なのである。

カフカ・セレクション I


Re: 今日のカフカ チイ - 2019/03/17(Sun) 11:33 No.2289  

cat.gif一行目が良いよね
そして一行目から進むにつれて地図?場所?が現れてくる感じが良いな
書き写してるとカフカが一行一行書き進めてる感じが味わえる


Re: 今日のカフカ くま - 2019/03/31(Sun) 10:09 No.2290  

bear.gif2行目もすきです


今日の小説トレーニング 投稿者:ちい 投稿日:2019/01/04(Fri) 12:03 No.2282  
cat.gifその顔はやつれ蒼ざめていて昼間に見る女将さんとは別人だった、細い首はかろうじて喉元に結ばれていたが浴衣の衿もとに白い三角形を描いて消えた、甘い香りがまだ静まり返った森の中から漂ってきた、真っ白い花弁のついた植物が発しているに違いないものだった、ヒサ子さん、わたしの名前を呼ぶ女将さんの声がまだ残響している、着の身着のままでこの土地に訪れた最初の日、葦毛の馬に乗った男が道をまっすぐに降りてきた、目の前で無言のまま私を睨みつけると、なぜここに嫁ぐんだと聞かれた、なぜって理由はありません、そう答えることしかできずに下を向いていると、表情ひとつかえずに来た道を引き返していった、それが私の夫、タイチの父親。短く刈られた髪の色は白く目鼻は深く彫られ、まるで鉱物のような顔つきだった。背丈は180センチを越える大柄だったが、長い手足を持て余すように動作はいつも緩慢で小さかった。そんな男が食卓の反対側に座って黙って夕食を食べるのを見ていた7日目の晩に再び私の顔をじっと見て「農園を売る」
と言った。初めて私に向かって投げられたと思われる言葉がそれだった、なぜ私にそんなことを言ったのか、本当は私に向かって言ったのではないのかもしれなかったけれども、その部屋には私以外誰もいなかった。生暖かい空気が部屋の中に充満しているせいか時の進みまで鈍っているようで、月明かりも窓からゆっくりと部屋の中に滲んでいった、その薄い光のスクリーンの背後に昼間よりもかえって緑色を濃く発している草むらが遠くに行くに従ってやがて夜空を映していく、ポツリポツリと闇の中に小さな黄金色の光が点じている、その光は明滅しながらやがて右に左に飛び立っていったが、朝になると数人の男たちがやってきて夫と何やら話をしながら庭から見える農園の中に入って行ってから最後、二度とこの光景を見ることはなかった、数日後には森は切り拓かれてしまったのだ。もちろん昆虫だけでなく、鳥も姿を消してしまった、代わりに人間がたくさん訪れた、日焼けした屈強な男たちがひっきりなしに木材をかついでは庭の中に自由に出入りするようになり、庭と農園の境にやにわに杭垣がつくられた。何かルールが決められていたわけではなかったが、私は家から、自分にあてがわれた部屋からもほとんど外にでることはなかった、夫が帰って来た時にだけ台所と居間がある一階に降りていき晩酌をした。夫が二階の寝室に上がるのを見届けてから食事の後片付けをして、つかの間、庭の杭垣の先にあるはずの空間をぼんやりと眺める、それが私の1日だった。暗闇の中に森の跡地となった空間がぽっかりと浮いていた、人間が出入りする昼間の時間帯には姿を見せない昆虫や鳥たちがふたたび集まってきた、そこはなぜか真っ暗闇ではなく黄金色の光に満ちていた。
翌日の朝、見知らぬ男が訪ねてきた、夫はすでにどこかに出かけてしまっていた。扉を開くと「農園売却の件でお話にあがりました」と、その男は言った。
「夫はいま不在なのですが」と開けた扉の隙間から答えると、
「それはうかがっております。奥様にお伝えするのが本日の私の役目ですので」と言ってそそくさと上着を脱ぎ始め、そこから去る気がないことを主張しているらしかった。
「農園のことは私は一切知らされてないのです。ここに来てからまだ日も浅いので、農園にどんな価値があって、いま何が行われようとしているのか皆目検討もつきません」そう言うと、
「ご安心ください。たしかに奥様が心配するのは当然のことです。突然、このように訪れてしまったことはお詫びしなければいけません。私は旦那様に古くから懇意にしてもらっている者で、決してあやしいものではありません。とは言え、これは大きな声では言えないのですが」と言って男は扉の隙間に顔を近づけると、
「先ほども申し上げたように今日ここに来たのは、旦那様に用事があったわけではなく、奥様のためなのです」
そう言うと、私が扉を開けることを分かっていたかのようにたった一歩で部屋の中に入ってしまった。
男は居間のテーブルに腰掛けるとさっそく大きな革製の鞄を開けて中から書類を取り出した、その手際の良さは数えきれないほどの反復によってつくられていて、口を挟む隙間を与えないものだった。しかし、意外にも書類については何もふれることなく続けて鞄から酒瓶を取り出すと
「一杯どうぞ」
と言った。
「器をご用意しましょう」
本当はもっと言わなければいけないことがあったのだろうが、とっさに出た言葉のおかげで席を立つことができたのは偶然の賜物だった。男を客観的に見物する機会としてもこれ以上ないタイミングだっただろう、何しろ私がこの家に来てから初めての来客なのだから。
私がつくった綻びが大きな巣喰いの始まりにならないとも限らない、台所の中を右往左往して適当な器を探しているふりをしながらそう考えた。農園の売却のことで私に関係があることなどまったく身に覚えはなかったが、この家にあの男を入れてしまったことがその始まりかもしれない、それが根拠はないが悪い予兆のように思えたのだった。だからここは慎重に行動した方がいい、選択肢は私の目に見える光景のどこかに隠されているはずだからそれを見つけなければいけない、男に目をやるといつのまにか立ち上がって部屋の天井を見上げていた。
「何か音が聴こえますが上にどなたか住んでいるんですか」
私は耳をすませてから
「ねずみかもしれません、近ごろ多くて」と答えたが実際はねずみなどこの家に来てから見たことはなかった。
「やはり今日奥様にお話をしにきたのは正解でした。旦那様にこのようなことを話してもなかなか理解いただけないものですから。今日私がおうかがいしたのは他でもない、この邸宅のことなんです。何しろ旦那様はこの邸宅に関する話ははなから一切受け付けないのですから。」
そう言うと今にも台所の方に向かって歩いてこようとしたので、目の前の棚にあった茶碗を二つ手に取り
「さあちょうど良い器が見つかりました」と言って台所からテーブルに移動した。男は出鼻をくじかれてしばらくその場に止まっていたが、気を取り直して言った。
「奥様もこの邸宅についてはあまり望ましい状態にないとお思いなのですね!それがうかがえただけでも今日こちらに来た甲斐は充分にあると言って申し分ないのですが、それでは私の役割は半分も果たされたと言えないのです。控え目に申し上げて、このまま放置しておけば」
この男は大きな権力を持った政治家かもしくは警察なんじゃないか、そう思ったが理由は分からなかった。これまで生きてきた中で出会ったことがない類の人間なのは間違いなかった。
「なにものかに占拠されるのはそんなに先のことではありません。よしんばそれが小ねずみどもであったとしても、避けるべき事態であることに変わりはないでしょう?」
そう言って、テーブルの上に二つ並べ置かれたまま忘れられつつあった器に酒を入れた。私は男の問いかけに同意も反論もするつもりがなかったが、なぜなら男の言っている意味が皆目検討もつかないことばかりだからで、それゆえに何も返す言葉もなく注がれた酒を一口飲んだ。しかしそれは図らずも男がすでに述べたことへの肯きと、これから言わんとしていることへの期待の表明に映った、男の表情からはたしかにそううかがえた。
男は唇の端をやや持ち上げて、人差し指をこれみよがしにゆっくりと差し出しそのまま書類の束を一枚めくった。
「この記録によれば、


Re: 今日の小説トレーニン... ちい - 2019/01/04(Fri) 12:05 No.2283  

cat.gifあ、思いのほかすげー長い


Re: 今日の小説トレーニン... くま - 2019/01/07(Mon) 23:05 No.2284  

bear.gif鞄から酒瓶がでてきた!
で、続きは⁉


Re: 今日の小説トレーニン... ちい - 2019/02/09(Sat) 13:42 No.2285  

cat.gif「この記録によれば −無論、記録などというものはまったく当てにならない場合が多いのですが、この邸宅をめぐってこれまでに幾度も争議が起こっています。少なく見積もっても5回、小規模の取るに足らないものも含めると両手ではまかなえないほどです。そしてその度に私どもが仕える旦那様も代わってきました。今、私どもと申しましたが、実際に私が仕えた旦那様は今の旦那様、つまり奥様にとっての旦那様だけで、別の旦那様にはその都度まったく別の者が仕えてきたのです。私が自分の目でその存在を確かめることができたのは先代の旦那様までです。つまり正確に遡れるのはせいぜいそこまでなのです。」男はかけていた老眼鏡を左手で持ち上げ、初めて目を通すかのような手つきで次から次へと書類をめくっていた。
「では、あなたがお知りになりたいことはこの邸宅に関わる過去のことなのですね」
「はい。最初に申し上げた通り、この記録の内容については私自身も半信半疑なところがあります。ただし、この邸宅の有り様をこのように決定づけたのはここに記されている膨大な一つ一つは取るに足らない過去の出来事であることはどうやら疑いようがないのです。この邸宅がいまこうして存在している様を例えるなら、ちょうど今にも破裂しそうな風船のようです、いまいましい過去たちがつまってふくれあがっている」
男は書類の束を机の上に投げ出してしまった。私は自分に関係のあることとは言え、いささか不愉快な気持ちになった。
「今までのお話、お話だけではなくあなたの様子を見るにつけ、どうやらあなたは私の助けを求めてここに来たようですね。建前はどうあれ」
「それは誤解です、奥様。少し取り乱したことは認めなければなりませんが、私の実利だけを求めてのことではないと信じていただきたい。
話を結論まで進めてしまうなら、記録から解釈するに、この邸宅に対する旦那様の権利は極めて不安定なものになっていると判断せざるを得ない、それを伝えるために来たのです。しかし、今はまだそれに気づいているものは私以外にいないのです」
「待ってください、あなたがどういうおつもりでここを訪ねて来たのか、私にとってはどうでもいいことですが」
不愉快な気持ちはなくなっていたが、選択された言葉の連なりにこの男への蔑みが尾を引いていた。
「事実、私にはなんの権限もないのです。あなたが私に期待しているようなこと、それがあなたに言わせると警告であったとしても」
「お言葉ですが奥様、権限がないのは奥様だけではありませんよ。私に関してはもちろんのこと、よもや旦那様にも同じことが言える状況なのです。いったい誰がこの状況を変える力を持っていると言えるでしょう。われわれにできる最善のことは抗うことではなく身を任せることです。ただし身の任せ方を見誤ってはいけません、誰もが注視しない程度のこととしてこの書類の奥深くにおさめなければいけない」
時おり聴こえてくる物音はどうやら頭上からだった。しかしさっき男が耳にしたものと同じかどうかはわからなかったし、この家に来てから初めて聴く類の物音かどうかも判然としなかったが、二階に気を取られていることを気づかれないようにしなければならなかった。
「ええ、つまり今私たちは、取るに足らない過去の出来事ほど成功した先例だと受け止めておかなければいけない、そういうことかしら」
「その通り!失礼ながら、正直なところここまでご理解が早い方とは期待しておりませんでした。以前の奥様とは大違いです」
「以前の奥様というのは先代のですか?」
「いいえ、旦那様の奥様のことですが」
「それは驚いた、初耳です。それともあなたにとっては取るに足らない過去なのでしょうか」
「私にとってというのは聞き捨てならない言葉です、何度もお伝えしているように私の評価など微塵も入る余地はない、そのことを念押しした上でお話するなら、これこそがまさに奥様が注意する必要があることなんです。そうです、旦那様の前妻のことですが、あの方は」
そう言って男は人差し指を口元に置いたまま暫く目を瞑っていた。その形が馬の寝顔に似ていて滑稽だった。
「ふだんは大変意地悪くこの村でもたいそう評判が悪い方でした。しかし、ここにこそ法則が働いているのです、先ほどからお話しているこの書類の法則が


Re: 今日の小説トレーニン... くま - 2019/02/13(Wed) 19:32 No.2286  

bear.gifどうなるどうなる? 酒は飲まれてない


Re: 今日の小説トレーニン... ちい - 2019/02/16(Sat) 13:36 No.2287  

cat.gif実はいっかい飲んでるよ笑


今日の保坂和志 投稿者:ちい 投稿日:2018/12/23(Sun) 19:08 No.2279  
cat.gif今みんなの心は、心は自分のものなのにそれを他の人にもわかる言葉で言えなければならないと思わされている。社会はそのように自分の心を他の人にもわかる言葉で説明できる能力を自信と読んで「自信を持ちなさい」と奨励する、それによってひとりひとりの心はLEDのような、太陽の光や月の光とは似ても似つかない光にさらされることになる、心は不透明な語りがたいものではなくなっていく。


Re: 今日の保坂和志 くま - 2018/12/24(Mon) 23:52 No.2280  

bear.gifありがとう!何を読んだかなあ


Re: 今日の保坂和志 くま - 2018/12/30(Sun) 23:22 No.2281  

bear.gifまだ群像読めてないけど「本物の読書家」いいよ、おすすめします


今日の思いつき 投稿者:ちい 投稿日:2018/07/14(Sat) 13:10 No.2274  
cat.gif人間は言語を会得することに、本能的な快感を感じるのかもしれない
外国語を学ぶ人の欲求はもしかしたらその快感によるものではないのだろうか
小説を読んだり書いたりする喜びも、結局のところその快感に根ざしているような気がする

そんなことをふと思ったんですけどどうでしょうか??


Re: 今日の思いつき ochiai - 2018/07/18(Wed) 23:48 No.2275  

panda.gifこの書き込みがあったころ、初台の会話禁止のカフェにいて、店主による長い長い注意書きを読んだり読まなかったりしていたのですが、書く、というのはなんだろう、SNSとかブログとかは小説とは明らかに違う、でも、山下さんんのツイートは小説の一節のようでもあったりする、などと保板を見始めたころに考えたことを改めて考えたりしていました。
快感、という言葉は浮かばなかったけど、書くことによって、書かれたことになにか価値が生まれるというか、それを快感と言い換えてもよいかもしれないなと今思った。
で、帰ってからこの記事を読んだのだけど、これは書くことを言っているわけではない。ヒトが言語を会得してから、文字を得るまで何万年もかかっているはずで、その間にフィクション(?)を語る人とそれを聞く人がいたはずで、今でも無文字社会はヒトの中にあって、そこでもたぶん、言語があって、、
今思い出したけど、テレビで、アマゾンかどこかの奥地で、二人の生き残り民族がいて、二人のしゃべっている言葉は二人以外わからなくて、ただひたすら、二人で楽しそうに会話しているのが、映っていた。世界に二人しか互いの言語をわかる人がいない。弓矢の使い方を知らないのに、ひたすら弓矢を作りながら、二人で楽しそうに会話している。
白人の研究者たちは、その言語を知りたくて、耳をすませている。
今日、「縄文にハマる人々」をみて、あのすごい土器を作りながらも、言語が交わされていたんだなあ、何が交わされていたのか、すごく知りたいけど、絶対誰も知ることができない、っていう話だったかもしれないしなかったかもしれない。
今、思ったんだけど、ネットが普及して、書くことと語ることがすごく近くなった気がするけど、いや、ネットなんかなくても、授業中の筆談とか、交換日記とか、手紙とか、同じようなものか、
なんかどんどんずれていくけど、やっぱり小説って特別な気がします。



Re: 今日の思いつき ochiai - 2018/07/20(Fri) 21:16 No.2276  

panda.gifなんか全然うまくいえてなくて、もどかしくて、言いなおそうと思ったけど、肝心なところがうまくいえない。


Re: 今日の思いつき ちい - 2018/07/29(Sun) 17:36 No.2277  

cat.gif2人の生き残り民族の話、すごくいいね
特に2人で楽しそうに会話してて、世界に2人しかその言語をわかる人がいなくて、研究者たちがたくさん蚊帳の外っていう絵を想像してすごくよかった
そのテレビ見たい


Re: 今日の思いつき くま - 2018/08/19(Sun) 19:50 No.2278  

bear.gif何か話すときや何をしゃべってるのか知りたいとき言語を学ぶけど、結局その後に来る快感を求めてたんでしょうか私は。
にゃーちゃんやクロちゃんたちに寄ってこられるのも「メシくれメシくれ」と連呼してるだけとわかったら快感薄れるんだろか。セキセイインコの幼鳥はまだ来たばかりでさらに一方通行で快感には程遠いです。最近読んだ「犬物語」がおもしろかった。でもジャック・ロンドンは41歳で自殺したんだって。かなし。


今日のフォークナー 投稿者:ちい 投稿日:2018/06/27(Wed) 09:00 No.2271  
cat.gifいまリーナは、そんな姿でほぼ四週間の旅を過ごしてきていた。その背後の四週間−遠くまで来たという思いを呼び起こす実体は−平穏な長い廊下になり、その床は揺るがぬ平静な信念で固められ、左右は親切な名もない顔で飾られて、そこに幾つもの声が残っている。ルーカス・パーチ?知らんね。このあたりにはそんな名のもの知らんね。この道かい?これはポカホンタスへゆくのさ。その人はそこにいるかもしれんね。あるいはな。この馬車はそっちのほうへちっとばかり行くよ。まあ乗っていきなよ、彼女の背後にのびているのは昼から夜へ、夜から昼へと単調に移りかわる長くて平穏な相も変わらぬ道で、その中を彼女は誰のものとも知らぬおなじようなのろい馬車をいくつも乗りついでは進んできたのであり、それらの馬車は車輪を軋らせてのっそりと行く魔物の列のようであり、大きな壺の周りを永久にはかどりもせずに進む何ものかのようであった。


Re: 今日のフォークナー くま - 2018/06/30(Sat) 22:53 No.2272  

bear.gifルーカスバーチ⁈ 記憶があるから私少しは読んだことあるんだな。すごい。ぐいぐい来ました。放物線のボールの気持ち。フォークナーどれも読み通せたことないけどまた読みたい。


Re: 今日のフォークナー ちい - 2018/07/07(Sat) 12:41 No.2273  

cat.gifフォークナー やばい おれなんか八月の光のまだ数十ページしか読んでないけど、見つけたかもしれないと思っちゃってる笑
こんな小説だって知らなかった 本当に好きな小説も読み進めるのに時間かかるよね


今日の保坂和志 投稿者:チイ 投稿日:2017/12/10(Sun) 16:29 No.2269  
cat.gif小説を書くという行為は、熟知していることを繰り返すことではなく、未知の道を切り開いていくことで、風景を書くという行為は、そのまま小説を書く行為の本質が圧縮されたものだと言えると思う。

ここで二つ目の小説の条件が出てくる。つまり、小説は細部≠ェ全体を動かすという独特の力学を持っている表現形態なのだ。

小説では、細部こそが全体を決めていくのだ。

読みながらいろいろなことを感じたり、思い出したりするものが小説であって、感じたり思い出したりするものは、その作品に書かれていることから離れたものも含む。つまり、読み手の実人生こいろいろなところと響き合うのが小説で、そのために作者は細部に力を注ぐ。


Re: 今日の保坂和志 くま - 2017/12/12(Tue) 09:13 No.2270  

bear.gif人というのは一人っきりで、他とは切り離された存在なのかっていったら、これは古井由吉さんが言っていたんだけど、言葉を使うんだから、人は他の人と言葉でつながってしまっている。


今日のボルヘス  投稿者:チイ 投稿日:2017/11/22(Wed) 23:41 No.2265  
cat.gif私は個人の不死性、つまり地上であったことを記憶していて、他界へ行っても地上のことを懐かしく思い出す魂について話そうと思っているのですが、それが果たして人として思い上がったことなのか、謙虚なことなのか、
あるいは本当に正しいことなのかよく分からないのです。先日、家にいた妹のノラが次のように言ったのを今でもよく覚えています。《『地上の郷愁』と言うタイトルで絵を書いてみようと思うの。内容は天国に召された人が、天上にいても地上のことを懐かしく思い出すといったもので、少女時代のブエノスアイレスの思い出をもとに描きたいんだけど、どうかしら? 》。妹は知りませんが、実は私も似たようなテーマの詩を書こうと考えています。それは、ガリラヤに降っていた雨や、大工の仕事場のかぐわしい香り、あるいはまだ見たことはないのにつねづね郷愁を覚えているもの、つまり満天の星空といったものを思い浮かべているイエスをテーマにした作品です。


Re: 今日のボルヘス  チイ - 2017/11/26(Sun) 12:08 No.2267  

cat.gifわれわれが世界の未来のため、不死性そのもののため、われわれの不死性のために休むことなく力を尽くしさえすれば、過去に生きた人たちの名前など気にすることはありません。そうした不死性は個人的なものではありません。

私はそうしたことをすべて忘れて、生き続けるでしょう。そうしたものは私が名指さなくても私の中で生き続けるでしょう。おそらくもっとも大切なことは、事細かに正確に思い出すことではない。もっとも大切なことは、意識せずに思い出すことなのでしょう。


Re: 今日のボルヘス  くま - 2017/11/29(Wed) 11:35 No.2268  

bear.gifこれがおちあいさんの言ってた「地上の郷愁」なんだね。ありがとう。すぐわかったんだね、すごいなあ


今日の小島信夫 投稿者:くま 投稿日:2017/10/26(Thu) 12:24 No.2262  
bear.gif 「僕は今と結びつけてものを考え、時代とともに毎日考え方が動いていきます。ですから例えば『死霊』(引用者註/埴谷雄高による小説作品)も、戦後すぐからずっと書き続けていくには、変化に対応できるような内容にしなければいけないと考えるんです。その点で僕は『死霊』に疑問を持っていますが、埴谷さんのやったこと自体は面白いですよ。しかしここで僕が今何となく思うことと比べながら話をしないで、『死霊』に限って話すというのでは、ミイラ取りがミイラになってしまします。『死霊』の世界ばかりになれば、たとえどんなにいい考えでもこもってしまうと思います。新しい考えにさらさなければ、どんな考え方もこもります。長くやっていてもまたこもる。『死霊』もはじめは開くためにやっていたことなのにこもっちゃう。(中略)/社会情勢は変化していきます。社会に対応する仕事をする人はその時々に世の中に対面して、考えを変えなければいけなくなる。例えば、吉本隆明さんは戦争中右翼的、戦後左翼的、それからの変遷でも、更に最近ならオウム真理教への対応でも時々に変化する。しかしその変化は世の中の移り変わりとともに起こる、きわめてありうることなんです。/そこで、社会の対応を小説に含むことが必要だと仮定すれば、真面目にやろうとすればするほど自分の地盤が変化します。カフカやそうゆう類の人の作品だけは生き続けるが、普通一つの作品はやがて変化についていかれなくなり、世の中が揺れ動くなかで行きづまる。五年経ったら通用しないという作品では困るので、作家はみんな、現在やっていることが水泡に帰す可能性をふまえながら柔軟性のあるかたちで書きますよね。保田(引用者註/評論家の保田與重郎のこと)や埴谷さんは人気ありますよ、極端なことを突きつめるからファンが多い。しかし論として面白いということです。突きつめて酒の席で論じているうちは楽ですよね。ところが外に出て世の中に順応して生き、社会に見あったものを書こうとすると本当に難しい。社会との対応のなかで作家として意味があることを書くのは難しいですね。その時々に前と違う考え方をしなければ何かをつかむことはできない。私も『抱擁家族』を書くのはかなり難しかった。しかし難しくない時は嘘なわけで、難しいほうが現実に結びついているという実感があります。また考える拠りどころがある作家がいいかというとそうでもなくて、拠りどころを決めている人は続かない。しかし埴谷さんは続けてきました。ここに良かれ悪しかれ問題があり、ここをどう見るかはみなさん各自によります。(中略)/僕が三月の時点であなたに話をしたことをあなたは整理して下さった。整理自体には間違いがないけれど、ただ常に曖昧なところがないといけないような気がします。筋が通り過ぎているのは、ある人について語る態度ではないと思うのです。吉本さんにしても戦前はこうで戦後はこう、と僕はくくってしまったが、まとめ過ぎてしまったような気がして、それでしばらく時間をおいたほうがいいのではないかと思っていました。整理それ自体には間違いはないと思うけれど、しかし整理し過ぎると、それ以外の部分を忘れがちになるんです。吉本さんは病気もされたし、現代詩も書いている。僕にとって吉本さんの現代詩はなじみがないものなので、僕の視点から整理をしてしまうと、その部分を切り捨てることになってしまいます。整理された以外の曖昧なところがあったり、横にはみでたり、そういうものが加わっていないと駄目だと思います。僕が吉本さんと対談した時は、あるフランスの思想家による創作の原理への定義が話題になりました。/『編みものをしている母親のそばで、ある安心した状態にいる子供が毬状になった糸を玩具として遊んでいる状態、これが創作の源泉だ』/このような定義です。僕もそういう遊びがある状態が創作だと思います。しかも今、僕はその思想家の名前がちょっと出てきませんが、その『名前が浮かばない』ことも含めてそのままで書き足して頂きたいんです。僕もあなたもこのあと電話を置いてすぐにでもこの思想家を調べられますよね。しかし敢えて『そのまま』つけ足して欲しいと思います。/というのは、これが『別れる理由』以降の三十数年、つまり後半生の僕にとってのスタイルだからです。遊びがないと取り違いが起きる。だから僕が喋ったことをそのままあなたが『そのまま』書いたほうがいい。僕があとでーー例えばさっき出た創作の源泉の思想家についてでもいいですけどーー原稿案に直しを入れると、どうしても内容が硬くなるし、主張するに足る何ものかがあるように思われてしまう。筋が通ってしまいます。そうしてしまえば、喋ったなかにあった、対象への絶妙な距離というものがなくなるんですね。/だから曖昧だったところはそのままでいいんです。話した内容には一過性に留まらない曖昧なものがつまっていますよ。そして喋った中身は、埴谷さんにしても他に挙げたいろいろな方にしてもすべて、一過性のものであるわけがない。だからこのままつけ加えてくれたほうが、一人の人を扱う上では話の拡がりを保つことができる。そのほうがいいのではないかと思います。そしてその書いた文章は私の許可なしに、あなたが受けとった通りに書いて下されば一番いいと思います。許可を得てまとめて、とやってしまうともっともらしくなってしまうからね。矛盾したりはみだしたり、あなたが誤解したならその誤解した部分も含めて出して欲しい。何かをはっきりとまとめて主張するというよりも、私がこうやって考えていると出してくれたほうが嬉しいんです」(この言葉は私が一九九八年三月九日の面会と、その取材をまとめたあとには電話で、小説家の小島信夫さんから聞かせてもらったもので、拙著『変人』から引用した)
『インタビュー』木村俊介(ミシマ社)


Re: 今日の小島信夫 くま - 2017/10/26(Thu) 12:27 No.2263  

bear.gif長文投稿できた! ちいくんもいけないかな。私が受けとってコピペしてもいいね。


Re: 今日の小島信夫 チイ - 2017/11/23(Thu) 09:17 No.2266  

cat.gif前半は何言ってるのかわからなかったけど、後半、原稿に直しを入れると対象への絶妙な距離がなくなるというところから面白かった

すごい長文が投稿できてるね
やっぱ内容ではじかれてるんだね
あと、連続投稿ははじかれるね、時間おかないと


先月の「パターソン」 投稿者:くま 投稿日:2017/11/18(Sat) 16:21 No.2264  
bear.gif「郷士どの、子どもというものは二親の分身じゃ。したがって、良い子であろうと悪い子であろうと、われらに生命(いのち)を与えてくれる魂を愛するように、愛さねばなりませぬ。幼いころから子どもたちを、美徳と、よいしつけと、キリスト教の正しい慣習へと導くのは親の務めじゃが、それは成人してから、両親の老後の支えとなり、子孫の誇りともなってもらわんがためでござる。そのうえ、子どもたちに、この学問、あるいはあの学問をおさめよと強いることは、拙者には当をえたこととは思われませぬ。もっとも適当な忠告をするくらいなら、いっこうにかまわぬであろうが。一般的に言えば、学生が生計をたてるために学ぶ必要のない場合、つまり、そうすることが許されるような裕福な親を天から授けられている場合には、もって生まれた傾向にもっとも合う、好きな学問をさせてやる、というのが拙者の意見でござる。なるほど詩学は、実用というよりはむしろ楽しみのためのものかもしれぬが、それを納めたものの不名誉となるがごとき学問ではない。郷士どの、拙者の考えでは、詩学というのは、このうえなく美しい、いたいけな乙女みたいなものであって、他の多くの学問という乙女たちは、彼女を豊かにし、磨き、美しく飾りたてるのに奉仕している、つまり、詩学は他のすべての学問を自分の役に立て、他の学問は詩学によってみずからの権威を高めているのでござる。そして、この詩というものはまことにすぐれた質の合金でできておるので、正しくあつかいさえすれば、それをはかり知れないほど貴重な純金に変えることもできましょう。それゆえ詩をこころざす者は、その本領をよく理解して、ばかげた諷刺詩や、実のないソネットなどを書かぬことが肝要じゃ。また詩が、やくざな連中や、詩のなかに秘められている宝を知ることも評価することもできない俗物の手にゆだねられるようなことがあってはなりませぬ。郷士どの、拙者の申す俗物を、たんにしもじもの卑しい人びとと思ったら大間違いでござるぞ。ものを知らぬ連中なら、よしんば王侯貴族であろうと、すべて俗物の数に入れてさしつかえござらぬし、またいれなければならんのじゃ。これまで拙者が申したようなことを心得て詩にいそしむ者なら、いずれその名が世界の国々に知れわたり、尊敬されるようになるであろう。そこで、郷士どの、結論として申しあげるが、貴公はご子息を、運命の星が招くところへむかわせてあげるべきじゃ。ご子息はまちがいなくすぐれた学生であり、すでに語学という学問の第一段階を見事に登られたのであってみれば、これからは語学力を武器にして、自力で人文学の頂上をきわめられにちがいない。この人文学というのは世俗の紳士にはいかにもふさわしいもので、司教にとっての冠、また裁判官にとってのガウンのように、その人間を飾り立ててりっぱにし、彼に名誉を与えるものでござる。」
 緑色外套の紳士は、ドン・キホーテの筋のとおった話しぶりに驚き、すっかり感心してしまった。そして、その深い驚嘆ゆえに、彼にたいして抱いていた、気がふれているのではないかという考えは、しだいにうすれていったのである。かくしてドン・キホーテの賢明さとたくみな話し方にことのほか満足した紳士が、ふたたび会話をつづけようと思った時、ふと顔をあげたドン・キホーテは、王家の旗を幾本となくなびかせた荷車が、道のむこうのほうからやって来るのを目にした。この荷車はドン・キホーテに、何らかの新たな冒険の到来を思わせ、事実、またここに、一大事件がもちあがったのである。
セルバンテス「ドン・キホーテ」牛島信明訳、岩波少年文庫

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